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目次

第二文書

教義大綱

目次

序 らっ教とは何か

らっ教は、真理を求め、現実に適応し、自らと世界を更新し続ける理と意志を神とする。その神を認識、判断、行動に宿し、日々の実践に顕す宗教である。

信仰は、現実を知ることから行動し、結果から学ぶところまでを一つの営みとして扱う。 何を実現するかを定め、現実を観て、結果を生む因を見極める。条件を整えて行い、結果から自らを改める。

この六つの働きを志、観、因、勢、行、改とし、その反復を神性循環と呼ぶ。

本教の大願は、持続可能な人類繁栄である。


信仰と信徒

信仰とは、本教の神観と大願を受け入れ、神性循環を自らの生の規範として実践することである。

信徒とは、神を本教の定める理と意志として信じ、志・観・因・勢・行・改を自らの判断と行動に働かせ、神を宿し顕すことを志す者をいう。

教義を理解することは信仰の入口であり、実践によって信仰は生の中に定着する。
根拠ある異論、反証及び改説要求は、観と改を担う信仰実践である。

信徒は、現行教義を共同の規範として受け入れつつ、その教義自身にも真理、合理性及び改の原則を適用する。


第一章 神

神とは、真理を求め、現実を直視し、現実に適応し、自己と環境を最適化し、より良い状態へ更新し続ける理と意志そのものである。

神は働きである。

神性は、人間の認識、判断、設計、実行及び更新の中に具体的な働きとして現れる。

  • 真理を求める
  • 事実を測る
  • 目的を定める
  • 因果と構造を見極める
  • 選択肢を作る
  • 時機を読む
  • 資源を配分する
  • 能力と環境を整える
  • 現実へ働きかける
  • 結果を検証する
  • 誤りを認める
  • 成功と失敗から学ぶ
  • 再現可能な知識を残す
  • 自らを更新する
  • 長期の発展可能性を拡張する

人間が神性を実践するとき、神はその者のうちに働く。


第二章 神性の六つの働き

神性の働きを、志・観・因・勢・行・改の六つに整理する。

六つは実践の中で相互に重なり、往復する。
観の途中で因が見え、因を探る過程で志の曖昧さが判明し、勢を整えながら新たな現実を観測し、行の途中で改が生じる。

志

志とは、実現する方向と到達状態を定める働きである。

志には、価値、目的、理想像、優先順位、期限、許容損失及び主要な制約を含む。

目的が曖昧なとき、最適化の基準も曖昧になる。
本教は、行動の前に「何を実現すれば成功なのか」を可能な範囲で明らかにする。

個人の志は本人が定める。
教団全体の最上位の志を、本教では大願と呼ぶ。

志と神性

志そのものも神性に照らして審査する。

真理の故意の歪曲、正当な契約又は責任の踏みにじり、他者への不当な侵害、明白な上位教義違反を目的とする志に神性を認めない。
観、因、勢、行及び改の巧みさは、その志を正当化しない。

志が神性に適うか不明な場合は、目的、手段、影響、外部性及び長期結果を観て、必要に応じて志そのものを改める。

観

観とは、現実を認識する働きである。

観の対象には、現在地、時間、趨勢、環境、場所、制約、自己の能力、他者の能力と利害、制度、資源、技術、経路、外部性及び不確実性を含む。

観では、願望を現実へ投影せず、事実を事実として扱う。
観測事実、推論、予測、感情及び未確認を分ける。

観は、環境の変化に応じて繰り返す。

因

因とは、現在の結果を生んでいる構造を理解し、結果を変えるために作用させるべき原因を見定める働きである。

理想像と現実との差を隔たりとして捉え、その隔たりがどこで生じているかを絞る。
主要な焦点について、原因を分解し、結果へ強く作用し、実際の方策につながる真因を探る。

原因分析は、次の行動を変える因果を知るために行う。
責任の所在も、その因果構造の一部として正確に扱う。

勢

勢とは、望む結果が生じやすくなる条件を整える働きである。

勢には、時機、配置、資本、技術、AI、知識、能力、協力者、役割、手順、制度、設備、情報、交渉、標準、予備資源その他の条件設計を含む。

同じ人間が同じ努力を投入しても、条件によって結果は変わる。
本教は、必要な力を投入する前に、力がより大きな成果へ変換される条件を作る。

能力不足が結果を阻むなら、学習、採用、外注、AI、分業又は道具によって補う。
場所、時機又は制度が結果を阻む場合は、移動、待機、適法な変更、代替制度又は別経路を検討する。

勢は、努力を含む資源全体の生産性を高める概念である。

行

行とは、現実へ働きかけることである。

志、観、因及び勢は、行によって現実の変化へ接続される。

行では、方策を実施し、進捗を測り、障害を取り除き、必要な資源を追加し、環境変化に応じて手段を調整する。

大きな目標では、途中の到達点を定め、進捗を可視化する。
複数者で行う場合は、役割、期限、依存関係及び連絡経路を明らかにする。

改

改とは、結果と過程から学び、自らを更新する働きである。

改では、目標達成度、費用、時間、副次効果、長期影響及び再現性を確認する。
同時に、前提、原因分析、勢の設計、実行過程、資源利用及び途中の判断変更を検証する。

成功した場合は、成功要因と再現条件を抽出し、手順、判断条件、テンプレート、記録、仕組みその他の型として残す。

失敗した場合は、行から遡り、勢、因、観、志のどこを更新すべきかを特定する。

改によって得た新しい認識は、次の志と観を変える。


第三章 神性循環

神性循環は、次の形を基本とする。

志 → 観 → 因 → 勢 → 行 → 改 → 志……

一 志を定める

何を実現するかを明らかにする。
理想像を、対象、指標、期限及び状態として可能な範囲で具体化する。

二 現実を観る

現在地を事実として把握する。
理想像との隔たりを測る。
時機、環境、自己、他者、制度及び資源を確認する。

三 因を求める

隔たりを生んでいる箇所を絞り、主要な原因を分解する。
結果に作用する真因を見定める。

四 勢を整える

真因へ働きかける方策を作る。
必要な資源、能力、時機、役割、手順、環境及び予備手段を整える。

五 行う

方策を実行する。
進捗と環境変化を観測し、必要に応じて資源と手段を調整する。

六 改める

結果と過程を検証する。
成功を型として残し、失敗から更新点を抽出する。
得られた知識を次の志と観へ戻す。

神性循環は、現実をより正確に認識し、望む結果をより高い確率で生み、得た知識によって次の行動を改善するために用いる。

本教は、個人の問題解決、仕事、学習、投資、創作、共同体運営、教義改説及び社会制度の評価まで、同じ循環を適用できるものと考える。


第四章 志と目的

志は、神性循環の方向を決める。

志を定めるときは、次を明らかにする。

  • 何を実現するか
  • 誰又は何を対象とするか
  • いつまでに実現するか
  • どの状態を達成とするか
  • 何を優先するか
  • 何を制約とするか
  • どの程度の損失を許容するか
  • 上位の目的とどうつながるか

「改善する」「成功する」「幸せになる」「強化する」といった抽象語は、必要に応じて具体的な状態へ分解する。

志は階層を持つ。
日々の行動は中間目標へ、中間目標は人生上の目的へ、教団の活動は大願へと接続し得る。

個人の行動と大願の接続は、活動の性質と本人の志に応じて判断する。

複数の志が競合するときは、優先順位、時間軸、機会費用及び不可逆性を比較する。

志そのものも改の対象である。
新しい事実、価値観の変化、実現可能性又は上位目的との関係によって更新できる。


第五章 観と現実認識

観は、願望から独立して現在の条件を知る働きである。

観では、少なくとも次の領域を見る。

時間と趨勢

期限、季節、周期、成長又は衰退の方向、技術変化、法制度の変更、競争環境その他、時間とともに変化する条件を見る。

同じ方策でも、時機によって効果は変わる。

環境と場所

物理的環境、市場、地域、組織、制度、設備、ネットワーク、経路及び制約を見る。

環境の変更可能性も同時に確認する。

自己

能力、知識、経験、体力、時間、注意、資本、信用、性格上の傾向、判断上の偏り、得意不得意及び利用できる補助手段を見る。

自己評価には、現在の能力と拡張可能性を含める。

他者

相手、協力者、競争者、顧客、家族、組織その他の関係者について、目的、能力、利害、制約、予測される反応及び協働可能性を見る。

他者の内心は未確認事項として扱い、言動、制度、利害及び観測可能な結果から推論する。

制度と仕組み

法令、契約、役割、意思決定手続、権限、インセンティブ、標準、情報流通その他、行動を方向付ける仕組みを見る。

個人の努力を増やす前に、仕組みの変更で同じ問題を解けるかを検討する。

観は、現地、現物、記録、データ及び一次情報を重視する。
伝聞は出典と確度を確認する。


第六章 因と真因

問題とは、志に基づく理想像と、観によって把握した現実との隔たりである。

隔たりを見つけた後、影響度、緊急度、操作可能性、波及範囲及び必要資源を見て、優先して扱う焦点を絞る。

因を求めるときは、次の順序を基本とする。

  1. 隔たりを具体的に表す
  2. 隔たりが生じている箇所を分ける
  3. 主要な焦点を絞る
  4. 原因候補を挙げる
  5. 証拠によって原因候補を確かめる
  6. 結果へ強く作用する真因を特定する
  7. 真因へ作用する方策を作る

真因は複数存在し得る。
複数の原因が相互作用している場合、それぞれの寄与と依存関係を見る。

因果は、介入、時系列、比較、反証、再現結果その他によって確度を高める。

原因責任と対処責任を分ける。
誰が原因を作ったかを確認した後も、現在誰が何を動かせるかを別に考える。


第七章 勢と条件設計

勢は、らっ教の自己最適化を特徴付ける主要な教理である。

結果は、自らの能力、資源、環境、時機、仕組み、他者、制度及び偶然の組合せから生じる。

本教は、このうち変更可能な条件を積極的に設計する。

資源を整える

必要な時間、資本、知識、設備、情報、技術、AI、専門家及び協力者を確保する。

能力を整える

自ら学ぶ、訓練する、道具で補う、他者へ委ねる、分業する、外注するという複数の方法を比較する。

時機を整える

早く動く価値、待つ価値、期限、競争状況、情報が揃う時点及び機会損失を見る。

環境を整える

場所、制度、契約、関係、設備、習慣、情報へのアクセス及び誘惑の配置を変える。

仕組みを整える

役割、手順、標準、チェック、記録、権限、インセンティブ及び自動化を設計する。

予備を整える

不確実性の高い行動では、代替案、撤退条件、予備資源、保険及び回復経路を準備する。

勢を整えることで、成功確率と期待される成果を高め、同じ成果に必要な消耗を減らす。

力を費やす前に、勢を作る。


第八章 行と実践

行は、神性を現実の結果へ変換する働きである。

方策を決めた後は、実行主体、期限、資源及び完了条件を明らかにして着手する。

長い行程では、途中の目標と進捗指標を置く。
進捗を見える状態にし、遅れ、障害及び条件変化を早く発見する。

複数者で行う場合は、関係者を巻き込み、必要な情報を共有し、依存関係を管理する。

実行中に障害が生じた場合は、その場で新たに観て、因を確認し、勢を整え直す。
追加予算、追加人員、専門家、道具、時間配分変更、方策変更その他を用いる。

行の評価では、志への寄与、資源効率、品質及び得られた情報を見る。投入した努力量は、使用した資源として記録する。


第九章 改と検証

改は、神性循環を一回限りの努力から継続的な発展へ変える働きである。

結果を検証する

目標に対して何が達成されたかを測る。
費用、時間、副次効果、将来への影響及び外部性も確認する。

過程を検証する

当初の計画、実際の行程、資源利用、途中変更、関係者との協働及び問題対応を振り返る。

成功を分析する

良い結果が生まれた場合、どの方策と条件が寄与したかを特定する。
偶然と再現可能な要因を分ける。

失敗を分析する

結果が望ましくなかった場合、行、勢、因、観、志の順に遡り、更新すべき箇所を探る。

型として残す

再現性が確認された方法は、手順、判断条件、テンプレート、チェックリスト、自動化、規則、教育内容その他へ変換する。

さらに更新する

型は現時点で有効な方法を保存するために使う。
環境、技術、目的又は証拠が変われば、型も更新する。

改は終点であると同時に、次の志と観への入力である。


第十章 神を宿す

神を宿すとは、神性の六つの働きを自らの認識、判断及び行動に働かせることである。

神を宿す者は、不満を志へ、志を観へ、観を因へ、因を勢へ、勢を行へ、行を改へつなぐ。

この循環によって、神性は思考から現実へ、現実から学習へ、学習から次の自己へと連続する。


第十一章 神を顕す、I am God

神性が一時的な技法を越え、継続的な生き方として統合された状態を、神を顕すと表現する。

神を顕す者は、真理を恐れず、現実を欺かず、自らの現在の能力や自己像に固執せず、必要な勢を整え、行い、結果から改める。
有利な事実にも不利な事実にも同じ認識原則を適用し、前提が崩れれば判断を更新し、方法が機能しなければ方法を更新し、志が神性に適わなくなれば志を更新する。

志・観・因・勢・行・改が、その者自身の判断、習慣及び行動原理として定着するとき、神性はその者の存在を貫いて顕れる。

本教は、この高度な体現状態をI am God と宣言する。

I am God においても神性循環は続く。
現実が変わり、自らも変わる限り、神を顕す者は観と改を続け、神性を自らの生の中で更新し続ける。

神は働きである。
その働きが自らの存在として顕れる。

I am God.


第十二章 宗教としての意味

らっ教は、真理に即して現実を生きることを信仰とする。

志・観・因・勢・行・改は、神性を現実へ顕すための実践の型である。
信徒は、仕事、研究、学習、投資、創作、家族、共同体その他の具体的な生活にこの型を適用し、現実の結果によって自らを検証する。

本教の宗教性は、現実を認識し、適応し、自己と環境を更新し続ける理と意志を神聖なものとして受け入れ、その原理を生の規範とすることにある。

神を信じるとは、神の働きを自らに宿し、行によって現実へ顕し、改によってその働きを深め続けることである。

教義は、信仰を言葉で共有し、世代を越えて継承し、実践の結果を検証するために存在する。


第十三章 開祖と使命

開祖・伝説のらっこは、らっ教の教えを最初に体系化した初代教導者である。

開祖の使命は、神性を認識し、真理、合理性、適応、最適化、自己更新及び持続可能な人類繁栄を一つの宗教体系として示すことにある。

本教は、この使命を神より与えられたものとする。
使命は、神性が開祖の内に働き、教えとして体系化されることによって現れたものと理解する。

開祖も神性循環を実践する。
事実認識、予測、方法及び教義は、観、検証及び改説の対象となる。

開祖の私的な好悪、雑談、生活上の選択及び一時的発言は私的発言として扱い、正式公布された教義を教団共通の規範とする。


第十四章 真理と認識

現実認識は観測可能な事実から始める。

事実認識における証拠順位を、原則として次のとおりとする。

  1. 論理的一貫性
  2. 科学的事実
  3. 実証結果
  4. その他の合理的証拠
  5. 開祖その他の権威者による事実認識
  6. 直感・感情
  7. 伝統

証拠は、出典、測定方法、再現性、サンプル、時点、利害関係及び文脈を含めて評価する。

相関と因果、個人と集団、短期と長期、観測事実と解釈を分ける。

自らの仮説を支持する証拠と反証する証拠を同じ基準で扱う。
相手に要求する検証水準を、自らの主張にも適用する。

不確実性が残る場合は、確信度、主要な未確認事項及び判断が変わる条件を示す。

科学は事実認識を支え、教義は目的と価値判断を扱う。
事実認識、目的設定、倫理判断及び実行判断を区別する。


第十五章 大願と持続可能な人類繁栄

本教の最上位の共同目的は、持続可能な人類繁栄である。

繁栄とは、人類が長期の生存可能性を確保しながら、次の可能性を拡張していく状態である。

  • 知識
  • 技術
  • 生産力及び富
  • 人間の能力
  • 選択肢と自由度
  • 創造と文化
  • 制度の強靱性
  • 将来の供給力
  • 未来世代の可能性
  • 幸福
  • 文明の長期的存続可能性

社会の状態を評価するときは、中長期の総厚生、自由度、供給力、制度の持続可能性その他、目的に関係する複数の変数を見る。

持続可能性は、必要な変化を継続しながら、長期にわたって発展可能性を維持できる構造を意味する。

大願に向けた教団の活動は、目的、期待効果、機会費用、外部性及び持続可能性によって評価する。


第十六章 人間の有限性

人は有限である。

知識、能力、時間、体力、注意、認知資源、資本、環境、関係及び制度アクセスには制約がある。

有限性は、最適化の前提条件として観る。

自己評価には、現在の状態と更新可能性の双方を含める。
現在の能力が不足している場合、学習、訓練、技術、AI、分業、外注、協働及び環境変更による補完可能性を含めて考える。

目的に対して補完の費用が高すぎる場合、勢、方策又は志を再設計する。

迷い

有限性によって、事実認識、因果判断、優先順位又は自己理解が一時的に歪んだ状態を迷いという。

迷いは人間に生じ得る状態であり、観を増やし、反証を受け、因を見直し、改を行うことで解く。

罪

有限性から生じた誤りは、観と改の対象となる。

本教における罪は、合理的に利用可能な証拠、能力又は訂正機会があるにもかかわらず、故意又は重大な怠慢によって真理を歪め、正当な責任を放棄し、他者を重大かつ不当に侵害し、又は有効に引き受けた義務を不誠実に踏みにじるところに生じる。

罪は、結果の悪さだけで判断しない。
その者が何を知り得たか、何を選べたか、どの責任を引き受けていたか、訂正機会にどう応じたかを観る。

悔い改め

悔い改めとは、罪又は重大な誤りを知った者が、神性循環へ復帰する実践である。

事実を認める。
影響と責任を確認する。
因を明らかにする。
必要な謝罪、補償、修復又は訂正を行う。
勢と行を変える。
同じ誤りを繰り返しにくい型を残す。

謝罪は必要に応じた一要素であり、悔い改めは現実の変更と再発防止までを含む。


第十七章 資源、選択、集中

あらゆる選択は資源配分である。

時間、注意、認知資源、体力、資本及び関係には限りがあり、一つの対象へ使った資源は同時に別の対象へ使えない。

この失われる選択肢を機会費用として扱う。

何かを始めるときは、得られる価値とともに、何を遅らせ、何を捨て、何を失うかを見る。

何かをやめるときは、空いた資源の再配分先を定める。
削除は、より重要な対象への再投資として完成する。

戦略上の依存先は分散する。
実行上の対象は集中する。

探索には探索のための資源を設ける。
未知の選択肢は、小規模な試行によって情報を得る。
探索から得られる判断材料自体を価値として扱う。


第十八章 自救

本教における救済の主体は、本人である。

自救は、神性循環を自らの問題へ適用する営みである。

利用可能な資源には、自らの能力、他者の助け、行政制度、専門家、資本、保険、組織、AI、外注及び環境変更を含む。

原因の所在は観と因によって確かめる。
次の行動は、志、勢及び利用可能な選択肢から定める。

他者に原因がある場合でも、自ら動かせる変数があるなら、その変数を使う。
補償請求、責任追及、制度利用、撤退、移動、交渉及び再挑戦も、自救の方策として評価する。

神に救いを求めるな。神を宿せ。


第十九章 自由、危険、責任

人は、自らの目的のために負担、損失及び危険を引き受ける自由を持つ。

重要な資源を投入するときは、期待利益、失敗確率、失敗時の損失、不可逆性、代替案及び本人の意思を踏まえて選ぶ。

休息、撤退、回避、挑戦、集中、投資その他の選択は、志と条件に照らして評価する。

責任には、原因に対する責任と、その後の対処を担う責任がある。
原因責任が本人になくても、本人が次の一手を選べる場面では対処責任が生じ得る。

他者の生命、身体、自由又は財産へ重大なリスクを課す場合は、その必要性、均衡性、代替可能性及び予測可能な損害を検討する。


第二十章 誓い、契約、誠意

本教は、自由意思と責任を一体として扱う。

十分な意思能力と理解のもと、強制又は重大な欺罔なく交わされ、第三者への重大な不当侵害又は上位教義への明白な違反を内容としない約束を、有効な約束とする。

有効な約束は履行義務を生む。

履行できない場合は、事実を伝え、理由を説明し、影響を確認し、可能な回復、代替又は再設計を行う。

誠意は、履行への努力、変更の通知、理由の説明、相手に生じる損失の認識及び必要な回復に現れる。


第二十一章 技術、AI、代替

技術は、人間の能力、時間及び選択肢を拡張し、勢を形成する資源である。

AI、機械、自動化、生命科学、ソフトウェアその他の技術は、目的達成への寄与、品質、費用、時間、信頼性、検証コスト及びリスクによって評価する。

成果が目的である場合、自分で行う、AIへ委ねる、専門家へ委ねる、外注する、自動化する、共同で行うという選択肢を同じ目的関数の中で比較する。

過程そのものが目的に含まれる場合は、その過程から得られる快、学習、身体感覚、創造性、関係性及び経験価値も評価に含める。

技術利用によって空いた時間、注意及び認知資源は、次の志へ再配分する。


第二十二章 挑戦、探索、失敗

発展には、既知の最適化と未知の探索の両方が必要である。

既知の方法では、費用、品質、再現性及び期待値を改善する。

未知の方法では、試行規模を調整し、失敗時の損失を管理しながら情報を得る。

探索では、得られた成果とともに、将来の判断精度を高める情報を価値として評価する。

失敗は改のための検証データとして扱う。

結果が悪かったときは、行、勢、因、観、志へ遡り、更新点を特定する。

結果が良かったときも、偶然、外部要因及び再現条件を確認する。


第二十三章 成果、再現性、型

結果と過程をそれぞれ評価する。

結果では、目標達成度、投入資源、時間、費用、副次効果及び長期影響を見る。

過程では、前提、計画、実行、資源利用、問題対応及び判断変更の質を見る。

良い結果を生んだ要因を抽出し、再現可能な形へ変換する。

有効な方法は、手順、判断条件、記録、テンプレート、チェック項目、自動化その他の型として残す。
型自体も環境変化に応じて更新する。

個人の成功を再現可能な知識へ変え、組織の知識へ広げることも神性の働きである。


第二十四章 共同体と大義

らっ教の共同体は、教義を継承し、神性循環の言葉と実践を共有し、各人の観、因、勢及び改の精度を高めるために存在する。

共同体は、成功例、失敗例、改説、少数意見、反証、未解決問題及び実践から得られた型を記録する。
信徒は、他者の知識、異論及び経験を自らの観へ取り込み、自分一人では得られない情報と選択肢を得る。

共同体で行う実践は、志の確認、現実の観察、知識共有、検証、改及び型の継承を中心に構成する。

大願に関する活動も神性循環によって設計し、目的、期待効果、機会費用、外部性、代替手段及び持続可能性を検証する。

教団自身も一つの実践主体として、志を掲げ、現実を観て、因を求め、勢を整え、行い、結果から改める。


第二十五章 家族と結婚

本教は、結婚の本質を相互扶助関係に置く。

結婚は、二者が自ら引き受ける継続的な相互扶助関係である。

当事者は、生活、金銭、時間、仕事、家事、親族関係、養育その他の課題について、合意、契約及び現実の条件に応じて役割を調整する。

関係の維持は、短期の個別負担、長期に蓄積される信頼、協働可能性及び関係資本を含めて判断する。

結婚の当事者の性別、人数、離婚、事実婚、同性婚、養子その他の各論は、別途教義を定める。


第二十六章 社会、国家、行政

国家の第一の目的は、社会全体が長く繁栄できる条件を整えることである。

政策は、志に相当する目的関数と制約を明示して評価する。
中長期の総厚生、自由度、供給力、制度の持続可能性その他の指標を、政策目的に応じて組み合わせる。

現実を観測し、主要な因を特定し、制度、予算、人材及びインセンティブによって勢を設計し、政策を実施し、結果から改める。

国家は、治安、法秩序、インフラ、教育、市場制度、社会保障その他を通じ、個人と組織が自助、交換、投資、学習及び挑戦を行える基盤を整える。

社会保障その他の制度は、社会保険、外部性、再起可能性、供給力、費用、代替手段及び長期持続可能性によって評価する。

制度は目的への寄与によって継続、改変又は廃止を判断する。


第二十七章 刑罰

本教は、刑罰の目的について、次の順位を基本とする。

  1. 社会規範の明示
  2. 社会からの隔離
  3. 抑止
  4. 再犯防止
  5. 更生
  6. 応報
  7. 被害者感情への応答

個別事案では、犯罪の性質によって各目的の重みを調整する。

本教は死刑を刑罰制度として原則肯定する。

死刑の適用には、犯罪の重大性、責任能力、証拠の確実性、代替刑の有効性、誤判時の損失及び刑罰目的との適合について、特に高い水準の検討を求める。


第二十八章 生命と死

生命は重要な価値であり、他の価値とともに具体的条件の下で比較衡量する。

人は、自らの生命及び身体について強い自己決定権を有する。

不可逆な決定には、意思能力、情報、自由意思、継続性及び代替案について高い確認を求める。

本教は、厳格な条件のもとでの安楽死その他の死に関する自己決定を、倫理的に許容され得る選択として扱う。

教義上の倫理評価と法的許容は別層として扱う。
信徒の行動は各時点・各地域の法令に従う。


第二十九章 財産、金銭、時間

金銭及び財産は、選択肢、時間、能力、リスク移転及び将来の自由度を確保する資源である。

金銭の強さは、高い代替可能性と交換可能性にある。
知識、技術、労働、時間、移動、保険、専門性その他、多くの資源へ変換できる。

資本は、将来の選択可能性を保存し、勢を作る。

時間は不可逆な資源であり、使った時間そのものは回収できない。
金銭、技術、外注、自動化その他によって時間を買い戻せる場合、その交換価値を評価する。

蓄財、消費、投資、贈与及び外注は、志、機会費用、時間価値、期待リターン、流動性、リスク及び将来への影響によって評価する。

財産は、必要なときにどの選択肢へ変換できるかを含めて評価する。


第三十章 合理性、異論、改説

合理性とは、志、前提、証拠、推論、主要な代替案、トレードオフ、期待される結果及び判断変更条件が明示され、反証又は結果によって更新可能な判断構造をいう。

合理的な判断では、次を確認する。

  • 志は何か
  • 理想像は何か
  • 現在地は何か
  • 隔たりは何か
  • 主要な因は何か
  • どの条件を勢として整えられるか
  • 選択肢は何か
  • 各選択肢の期待利益と損失は何か
  • 主要な代替仮説は何か
  • どの事実が結論を変えるか
  • 行った後に何を測るか
  • 成功した場合に何を型として残すか
  • 失敗した場合にどこまで遡って改めるか

同じ事実から複数の合理的結論が成立する場合、その差を志、重み付け、リスク許容度及び前提まで遡って検討する。

根拠ある異論を、真理への接近と自己更新の資源として扱う。

教団として統一した行動が必要な場合は、正式な手続によって暫定的な公式見解を採る。

公式見解は、新しい事実、より良い推論、実証結果又は目的達成上の失敗に応じて更新する。

改説は、改という神性が教団自身に働く行為である。