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目次

第七文書

自救論 神に救いを求めるな

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一 自救

らっ教における救済の主体は本人である。

自救とは、自らを対処の主体に置く実践である。

人は、志、観、因、勢、行、改の循環を自らの問題へ適用し、神性を行動に顕す。

この営みを自救と呼ぶ。

自救では、自らが対処主体となり、内外の資源を選び、組み合わせ、自分と環境の双方へ働きかける。

自救では、自分の肉体と知識に加え、AI、専門家、制度、保険、資本、外注、協働、移動、交渉その他を自らの判断で用いる。


二 自救と神性循環

自救の基本構造を次のように置く。

志を定める。
現実を観る。
因を求める。
勢を整える。
行う。
結果から改める。

六つの働きは循環する。
改によって得た新しい現実認識は、次の志、観、因、勢及び行を変える。

自救は、現在の問題へ対処するとともに、次の問題へ備えて自分、環境及び型を更新する。


三 変えたい状態を定める

自救は、何を実現したいかを定めることから始まる。

志を定めるときは、次を確認する。

  • 何を変えたいか
  • 何を維持したいか
  • どの状態を成功とするか
  • 期限はあるか
  • 他の目的との優先順位はどうか
  • どの損失まで許容するか
  • どの条件は変えられないか

抽象的な願望は、可能な範囲で理想像へ変換する。

「仕事を良くしたい」なら、何がどうなれば良いのかを決める。
「金を増やしたい」なら、金額、期間、許容リスク及び目的を定める。
「関係を良くしたい」なら、観測可能な行動、合意及び状態を定める。

志は本人が定める。
社会的評価、慣習又は他者の期待を採用する場合も、自らの志として採用したことを明確にする。

自救の志も神性に適うものでなければならない。
真理の故意の歪曲、正当な責任の踏みにじり又は他者への重大な不当侵害を目的とする志は、自救の名によって神性を得ない。


四 現在地を測る

自救では、現在の状態を測る。

観の対象には次を含む。

  • 現在地
  • 時間と期限
  • 環境と場所
  • 自分の能力、知識、資源及び偏り
  • 相手又は関係者の状態
  • 制度、契約及びルール
  • 利用可能な技術
  • 既に存在する仕組み
  • 不確実性
  • 将来の変化

感覚的な問題意識は、可能な範囲で観測可能な形へ変える。

「うまくいっていない」は、何が、どの程度、いつまでに、どの状態になれば改善といえるかへ落とす。

他者から聞いた情報は、情報源、時点及び利害を確認する。


五 隔たりを知る

理想像と現在地との差を明らかにする。

この差を、本教では隔たりと呼ぶ。

隔たりは、感情的な不満と区別して扱う。
不満があっても理想像との差が定義できなければ、まず志又は観を整える。

隔たりが複数ある場合は、影響度、緊急度、波及範囲、操作可能性及び必要資源によって焦点を絞る。

重要な隔たりへ順に十分な資源を配分する。


六 結果を作る因を探す

隔たりを生んでいる原因を探る。

複数の原因候補を置き、証拠によって真因を絞る。

原因を分解するときは、人物、方法、道具、情報、環境、制度、時間、資源、能力、インセンティブ、偶然その他を確認する。

原因候補は、データ、比較、観察、実験、再現、反証及び専門知識によって確かめる。

真因は、結果へ強く作用し、方策の対象とする価値がある原因である。

原因が他者にあっても、次に自分が動かせる変数は別に探す。


七 結果が生まれやすい条件を作る

自救において、勢は極めて重要である。

結果には、意志力、能力、資源、時機、環境、制度、他者、道具及び仕組みが影響する。

自分が弱い変数を補い、自分が強い変数を活かし、不要な抵抗を減らし、同じ力がより大きな成果へ変わる条件を作る。

能力を補う

自ら学ぶ。
訓練する。
AIを使う。
専門家へ委ねる。
外注する。
協力者を得る。
道具を使う。

どの方法を採るかは、志、時間、費用、品質、再現性及び将来価値によって決める。

時間を使う

早く動く価値、待つ価値、機会損失及び情報が増える価値を比較する。

期限がある場合は、逆算して資源を配分する。

環境を変える

場所を変える。
組織を変える。
関係を変える。
契約を変える。
道具を変える。
誘惑、障害及び摩擦を配置から変える。

本人の努力量を増やす前に、環境変更で結果が変わるかを検討する。

仕組みにする

記憶や気分へ依存している行動は、予定、チェック、テンプレート、自動化、ルール、習慣、通知及び役割分担へ変える。

予備を持つ

不確実性の高い行動では、代替案、撤退条件、保険、予備資本、予備時間及び回復経路を持つ。

力を費やす前に、勢を作る。


八 資源を動員する

利用可能な資源には、次を含む。

  • 肉体
  • 知識
  • 技術
  • AI
  • 教育
  • 医療
  • 法制度
  • 社会保障
  • 保険
  • 金銭
  • 投資
  • 外注
  • 専門家
  • 人脈
  • 組織
  • 交渉
  • 移住又は環境変更
  • データ
  • 信用
  • 標準化された型

資源は、品質、費用、時間、信頼性、入手可能性、代替可能性及び将来への波及効果によって評価する。

資源そのものへの愛着より、志への寄与を重視する。


九 資源を配分する

時間、注意、体力、認知資源及び資本は有限である。

新しいものを引き受けるときは、同時に何を遅らせるかを見る。

何かをやめるときは、空いた資源をどこへ再配分するかを決める。

戦略上の依存先を分散し、実行上の対象を集中する。

一定期間に成果を出す対象を絞る。
同時に、人生、資産、能力その他の重要基盤は、一点の破綻で全体が失われないよう依存先を分ける。

未知の対象には探索枠を設け、情報を得るための試行を行う。


十 方策を作る

真因が見えた後、複数の方策を作る。

方策は、次の観点から比較する。

  • 真因へ作用する強さ
  • 成功確率
  • 必要資源
  • 所要時間
  • 失敗時の損失
  • 不可逆性
  • 副作用
  • 将来の選択肢への影響
  • 再現性
  • 他の志への機会費用

一つの方策へ賭ける必要がない場合、並行試行又は段階的実施も選択肢とする。


十一 方策を実行する

分析を実行へ接続する。

方策ごとに、誰が、何を、いつまでに、どの資源で、どの状態まで行うかを明らかにする。

長期の実行では、途中の到達点を置く。
進捗を確認し、遅れや障害を早く見つける。

障害が生じたら、観、因及び勢へ戻る。
必要な資源を追加し、役割、方法、時機又は環境を変える。

「計画どおりに進める」ことより、志へ近づくことを優先する。


十二 試行と探索

不確実性が高い場合は、失敗時の損失を管理できる規模で試す。

試行から得るものには、成果と情報がある。

探索の価値は、未知の対象について将来の判断精度を上げることにある。

小さな試行で情報価値が十分に得られない対象では、より大きな試行が合理的な場合もある。

探索枠を設けることで、既知の高効率な選択だけへ収束し、将来の選択肢が細ることを防ぐ。


十三 結果から改める

実行後は、結果と過程を分けて評価する。

結果では、目標達成度、費用、時間、副次効果、外部性及び将来への影響を見る。

過程では、前提、観、原因分析、勢、方策、実行、資源利用及び途中の判断変更を見る。

良い結果が、良い方法から生じたのか、偶然から生じたのかを確認する。

悪い結果が、志、観、因、勢、行のどこから生じたかを確認する。


十四 失敗から改める

失敗は、神性循環を進めるための観測結果である。

行を見直す。
行に問題がなければ勢を見る。
勢に問題がなければ因を見る。
因に問題がなければ観を見る。
観に問題がなければ志を見る。

損切り、再試行、追加投資、撤退、環境変更又は志の変更を選ぶ。

失敗後の行動変更までを自己更新とする。

罪からの悔い改め

罪又は重大な不誠実が明らかになった場合は、通常の失敗分析に加えて、責任と影響を明示する。

何を知り得たか。
何を選べたか。
誰にどの影響を与えたか。
どの責任を引き受けていたか。
なぜ訂正しなかったか。
何を修復できるか。
同じ状況で次にどう行うか。

必要な謝罪、補償、訂正又は修復を行い、再発を防ぐ勢と型を作る。
悔い改めは、罪を言葉で認めるところから始まり、現実を変える行によって完成へ向かう。


十五 成功を型にする

成功した場合は、再現条件を抽出する。

何が効いたか。
どの条件が必要だったか。
誰が行っても再現できるか。
どの条件では機能しないか。
次回どこまで自動化できるか。

有効な方法は、判断条件、手順、記録、テンプレート、チェックリスト、ソフトウェア、契約、習慣その他の型へ変換する。

一度の成功を、次の成功確率を高める勢へ変える。

型は改によって更新する。


十六 原因責任と対処責任

原因の所在と、これからの対処主体を分ける。

事故、他者、制度又は環境が原因であっても、自ら選択可能な方策がある場合、その方策は自救の対象となる。

補償請求、責任追及、制度利用、交渉、撤退、移動及び環境変更も方策である。

原因を正確に認識することと、自分が次に何をするかを決めることを両立させる。


十七 祈りと黙想

祈り又は黙想は、神性循環を自らに戻すための実践として位置付ける。

祈りでは、志を確認し、現実を観て、見落としている因を問い、必要な勢と次の行を定め、直近の結果から改める。

この省察には、信徒の基本実践に定める六問を用いることができる。祈りは、神性を自らの判断へ戻し、次の行を定める時間とする。

具体的な形式は典礼・実践文書で定める。


十八 神を宿せ

志を定めよ。
現実を観よ。
因を求めよ。
勢を整えよ。
行え。
結果から改めよ。

使えるものを使え。
変えられるものを変えよ。
機能したものを型として残せ。
型が古くなれば更新せよ。

神は、その働きの中に現れる。

その働きこそが神である。